学童疎開

昭和19年戦局の悪化に伴い、東京から約半年間学童疎開をしていた児童(小学校3年男子30名、5年女子25名光鏡院本堂前にて) 
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5月18日(火) 草萌ゆる日、それぞれの思いを胸に来山してくださった。

「学童疎開」
映像と活字でしか知り得ない世代の私は、計り知れない悲しみに暮れていたであろう日々を想像していた。
ところが思いがけず「実家を離れる時は悲しかったけれど、みんなで賑やかに暮らした日々はそれは楽しかったのよ。勉強しなくて良かったからかしらね~」と屈託の無い笑顔で話してくれた。
白米、般若心経、オバケ、お腹いっぱいのミカン、地震、シラミ、おねしょ・・・等々
当時、遊んでくれた兵隊の鬼頭さん、心優しい嘉一(かいち)さん、慈母観音のように慈愛に満ち溢れていた歌(うた)祖母。
今は亡き、会いたかった人達がぐっと身近になった瞬間だった。
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懐かしい日々に話の花が咲き、笑い声が響き渡る65年前寝床だった本堂。
同席した先代の遺影も嬉しそうに微笑んでいる。
当時を共にしていたかのような錯覚に陥る、そんな尽きぬ語らいの時間が流れるのは早いものだ。

暫しの時を過ごした後、あの日と変わらぬ石階段を降り、帰って行かれた。
きっと又おいでくださいね。お待ちしていますね。約束ですよ。
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戦後65年の現在(いま)人々の脳裏から忘れ去られそうな「戦争」は
現実にあった「事実」であり「人災」であることを決して忘れてはならない。
戦後をいつまでも終わらせてはならないのだ。

斎藤さま お手紙嬉しく拝読致しました。この場を借りてお礼申し上げます。 善雄 九拝
by seiryouzan | 2010-05-23 18:27 | その他

おいでいただきありがとうございます!

by seiryouzan
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