2011年 05月 06日
首相、浜岡原発全原子炉の運転停止を要請
浜岡原発では、現在、4号機と5号機が運転中。菅直人首相は記者会見で、国民の「安全と安心を考えた」措置であるとし、万一、同原発で事故が起きた場合の甚大な影響を考慮したと述べた。NHK報道局科学文化部【菅総理大臣の記者会見・全文です】(5/6 19:10)
首相は、文部科学省・地震調査研究推進本部によると、今後30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する可能性は87%と切迫した状態にあるとしたうえで、防潮堤の設置など中長期の対策を実施することが必要であると語った。
また、浜岡原発を停止した場合の電力供給への影響については、「支障が生じないよう、政府として最大限の対策を講じていく」としたほか、電力不足のリスクは「全国民の省電力、省エネルギーの工夫」によって乗り越えていけると述べた。
英断に敬意=「地元経済にも適切対応を」―川勝静岡知事
菅直人首相が6日、中部電力に対し浜岡原発(静岡県御前崎市)の全原子炉の停止を要請したことについて、静岡県の川勝平太知事は「安全性確保に対する地元の要望を最優先した菅総理と海江田(万里・経済産業)大臣のご英断に敬意を表します」とするコメントを発表した。その上で「地元経済に対する影響についても、適切に対応していただかなければなりません」と国に配慮を求めた。
また、小林佐登志県危機管理監は記者団に「国がどういう考えに基づいてこういう判断をしたのかや、今後、浜岡原発をどうしていくのかについて国の考え方を聞きたい」と述べ、週明けにも原子力安全・保安院に対し、説明を求める考えを示した。原子炉の稼働停止に伴う交付金や税の減収など、地元自治体財政への影響については「国が決めたことで生ずる結果には、当然国が対応してもらわなければならない」と強調した。