カキ養殖の島復興へ「一口オーナー」 すでに3300口

宮城県塩釜市の松島湾に浮かぶ桂島は、津波で大半の住宅や漁具が流された。島を支えたノリやカキの養殖は再開できるのか。漁師たちは、震災直前に島に移り住んだ青年の発案に沿って、復興への道を歩み始めた。
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桂島は人口約300人。65歳以上が過半数を占める。震災では高さ10メートル超の津波で住宅120戸のうち71戸が損壊し、ノリの加工場やカキのイカダ、ロープなど作業道具の大半が流失した。住民は養殖を再開するかどうか悩んでいた。
「一口オーナー制度をやってみませんか」。提案したのは小泉善雅さん(36)。インターネットやツイッターで1口1万円の支援金を募って漁業の資材購入に充て、収穫できるようになれば現物で出資者に還元する、と説明した。
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小泉さんは震災直前の3月6日に島の漁協への加入が認められたばかりだった。塩釜市出身で東京の木材商社などに勤め、5年前にUターン。松島町や東松島市の漁師に弟子入りして漁師を目指していた。
桂島を所管する県漁業協同組合塩釜市浦戸支所の運営委員長・千葉真澄さん(69)に加入できるよう頼んだのは今年1月。「いつまでいるか分からない」「どんな人なのか」と否定的な組合員を、島の後継者不在を心配した千葉さんが「この島を終わりにするのか」と説得した。そして島外初の組合員となった。
小泉さんの提案について、住民は最初は半信半疑だった。しかし、口コミやテレビで取り組みが知られると、問い合わせが全国から殺到。すでに3300口以上が集まった。島の漁師は海に沈んだ種ガキの引き上げに乗り出し、被害を免れたノリ乾燥施設は共同で使うことにした。廃業を決めたのは数人にとどまった。
「彼のアイデアが住民を元気づけた」。千葉さんは笑顔を見せる。小泉さんは「多くの人に協力いただき、大変ありがたい。でもこれだけで満足したら、お涙ちょうだいの域を出ないし、漁業も発展しない」と気を引き締める。(上田学)

「うらと海の子一口オーナー制度」へはこちらから
復興支援牡蠣オーナー制度へはこちらから
東日本大震災で三陸沿岸の漁業も大きな被害に遭いました。
漁業復興の為被災地の方々も立ち上がりつつあります。その一つが「一口オーナー制度」です。
生産者が直接一口オーナーを募り、一人何口という支援金を漁業再生のための資金に充当させて後、再生の海産物がオーナーに届けられるというシステムだそうです。
義援金はなかなか被災地に届かないようですが、この「一口オーナー制度」は直接オーナーさんに届きます。
品物がお手元に届くのは時間はかかるかもしれませんが、待つ時間(復興)を「応援」という形で楽しむことができますよね。(庫裡)
by seiryouzan | 2011-05-14 10:59 | 地震関連

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