2012年 11月 27日
静岡県第一宗務所主催 第43回 壇信徒大本山研修会
参加総数356人 (15教区29人 光鏡院5人)
バス10台を連ねた大研修団は昼過ぎに永平寺の門前に到着。降りるとピンと張り詰めた空気が広がりました。
開講式、法話、座禅、翌朝は3時に起床して朝課に参加しました。蝋燭のともしびと静けさのなか、背中に響く読経の声、清々しい空気は永平寺でしか味わえない貴重なものです。
さて、9ヶ月ぶりに再会した弟子の一樹(いちじゅ)は、※瓦志納(かわらしのう)の係でした。黒い衣(ころも)が思いのほか身に付き、屈託のない笑顔は、私達の不安や心配を一気に吹き飛ばしてくれるものでした。入山してから※小庫院(しょうくいん)に7ヶ月、現在は※知庫寮(ちこりょう)で修行させていただいているようです。
※瓦志納係とは毎年、雪の重みで瓦が割れてしまうため瓦修復のための御志納金受付係
※小庫院とは参拝者と吉祥閣の和尚の食事を作ります。
※知庫寮とは生活必需品の卸や管理、山内の法具の管理を担います。
「寒厳一樹松」(かんがんいちじゅのまつ)
意味:雄大な松は、凍てつく厳しい寒さの中でさえ、堂々と高くそびえ、何も誇示せず、むしろその松の葉は存在感さえある。
弟子一樹が永平寺修行に出掛ける前日に贈った書(言葉)です。松の根のように地に足を着け、日々の修行に励んで欲しいとの思いを込めました。苦楽を共とする仲間との出会いや、修行の日々はこれからの人生において掛け替えのない大きな宝となりましょう。日々研鑽(ひびけんさん)を積む一樹に負けず私も精進の日々をおくります。
室町時代には天皇から「曹洞宗第1道場」の勅額を 贈られ、日本の禅修行の場として長い歴史を刻んできた永平寺。これから厳冬にむかい修行も更に厳しいものになるでしょう。弟子をよろしくお願い致しますと合掌し深く低頭して帰って参りました。